金が余ると、投資家はいろいろな投資先を物色しはじめる。REITや今まで見向きもされなかった業種。YouTuberが昔から上がると言っているコモディティ(本人はやったーと大喜び)。当然、専門家はもっともらしく見立てる。これは悪い兆候だと思う。そして、上がり続ける可能性が少ないので、どこかで売らなければならない。ではどこで売ればいいのか?誰にもわからない。気がついたら、元に戻っている、もしくは買った時よりも下がっている。いつかどこかで見た光景である。
ブームはいつか終わる。ブームになれば、供給は増え、いつか飽きられる。人間は絶対飽きる動物である。どんなに優れたものが出たとしても、そればかりだと飽きられる。ブームは何年かに一度はくるものと想定して、長く続けることを前提にするべきである。映画「グラディエーター」(2000年)が公開された時は、久しぶりの史劇映画なので興奮した。しかし、その後、似たような映画が相次いで公開されるとすぐに飽きられた。既に1960年代に大量に公開された史劇映画についても、同じような状況だったと当時の映画評に書かれてある。大量の西部劇、戦争映画、時代劇、SF、ミュージカル映画。歴史は繰り返す。そのサイクルは、短く、多様化しているかもしれない。
ブームになると、大きな流れ(トレンド)の中で、良いもの、悪いもの関係なしに、世の中に受け入れられる。そして、悪いものの悪い部分が残る場合がある。金儲けが優先すると、結果的に効率が悪くなる。ヒットするものが正しい。という人はいるが、短期的に見ると正しく、長期的に見ると正しくない可能性がある。