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7月, 2021の投稿を表示しています

仕事のやり方②/プロデューサーの唯一無二の醍醐味

 いろいろなクリエイティブを組み合わせて、クオリティの高いものを作ることに尽きる。スタッフィング、キャスティングの力。相乗効果を最大限に上げること。

儲ける/安く作る

 予算があっても、無駄を省いて、安く作れば、利益が上がる。会社の利益率を守るという一点を基準にすると、儲け方の多様性が失われる。省くべき無駄を発見するのが後手になる。また、本来大儲けできるところを、無駄にお金を使ってしまう。業界が成熟すると、予算が厳しくなるのは、歴史的運命である。映像プロデューサーは、儲かったら、未来の仕事に再投資するのが基本であるが、自分の周りでやっている人はほとんど見たことがない。成熟してから、慌ててやり始めても、うまくいかない。利益率にこだわる、現場を知らない経営陣がいる会社は要注意である。 安く作って、利益を上げる方法はかなりある。古今の映像制作を学べば、いろいろ見つかる。安価で新しいテクノロジーも大量にある。それが技術だと思う。行き過ぎのコストダウンは、いろいろなものを毀損する可能性があるが、一通り自分でやれる人は、無理のないコストダウンの方法を考えることができる。楽しみながらやることである。 人気者は仕事が集中する。しかし、決して安くならず、高くなるばかりである。高い最新技術は積極的に使うが、安い最新技術は目もくれない。理由は簡単で儲からないからである。そして、そういう人に発注している人たちも同様の思考になる。しかし、気が付けば、コストが高く、最新の安い技術についていけなくなり、仕事を失うことになる。そんな例をいくらでも見ている。生き残っている人は、予算管理が絶妙である。しかし、かつての輝きを維持することは難しい。

儲ける/節約する

 ケチと言われる人がいるが、自分の周りでは、多くが成功している。ケチと言っている人のほとんどが成功していない。永遠の法則のような気がする。 映像プロデューサーは無駄を省くのは大前提。贅沢はたまには必要。それでも金が余れば、ろくな使い方をしない。かつて景気の良い時に、Pマークというセキュリティの基準を作ろうということで、CM業界もかなりのお金と時間を使ったはずである。傍目で何も産まないと思った。似たような場当たり的な、もしくは、一部の人が儲かるようなものはいくらでも存在している。注意するべきである。 運用で利益を上げるためにまずやるべきことは、節税だと思う。税金は毎年かかるものであるから、年が経てば膨大な金額になる。節税は、先が読めない投資をするよりも確実に効果がある。新しい投資をするのはそれからでも遅くないと思う。これと同じことである。まず、足元から始めるべきである。 足りないくらいがいい。節約は誰でもできる。一生できる。楽しみながらやるのがコツである。

儲ける/低予算

 低予算では、人が足りないので、1人で複数の役をこなす必要があるので、きついが人は育つ。予算がある仕事でも、同様の役割分担ができれば、利益を上げることができるが、なぜかやろうとしない。低予算の作品には、壁のようなものがあって、ある程度以上のクオリティを超えることはできない。映像プロデューサーは、予算があれば、超えるべき部分に予算を投入するべきである。それをかけなくてもいい部分にもお金をかければ、利益なんて出ない。 予算がある仕事は逆算して、スタッフにはこれ位、美術にはこれ位、というふうに今までの経験から平均的な配分があってそれに従ってやろうとする。基準にするのはいいが、それではいつもと同じようなものになってしまわないだろうか?逆に無視をして、とんでもないことになった例も多く知っている。明らかな知識不足。 タレント周りの予算を節約しようとして「恥をかかせるな」と言われたことがある。言っている人の気持ちもわからないでもないが、微妙な話である。逆にクオリティを下げてでも、タレントに過剰なサービスをする人もいる。頭がおかしいに違いない。 自主制作出身の人は、ゼロ予算を経験しているので、お金のことは大体分かっている。しかし、ある程度予算のある仕事ができるようなると、中には、その時の苦労など忘れて暴君のように振る舞う人が沢山いる。結果的に悲惨なことになる場合がある。反動というか、人間の性というべきか。

儲ける

 会社は業績が安定しないと社員に給料を払うことができない。そのために会社の定める利益率というものがあるが、バックオフィスやオフィスの家賃やその仕事と関係のない役員への給料もその中に含まれるわけである。しかし、それら役員がいなくても、仕事は成立するはずである。利益は何を基準にしているか考えるべきである。大きな会社ほど、利益に対する考えが硬直化するので儲け方の多様性が失われる。少人数で、協力会社を使って、大きな仕事をするのがいい場合がある。 なるべく中間に入る会社を少なくするべきである。クライアントに知識が不足している場合、説明等、労力がかかるが、中間マージンがない分、クオリティを上げ、利益を上げることができる可能性がある。しかし、このやり方は、企画から納品までの知識が必要なので、ある程度の経験が必要である。普段から人任せにせず、あらゆるプロセスに興味を持って、首を突っ込むことをしていればできる。 映像プロデューサーは、新しい仕事が発生した場合、以前その仕事をどのようにやっていたか研究する。そして、今までの自分たちのやり方だけでやろうとしないことである。お金をベースにすると、やりたいことができなくなる。結果的に負ける可能性が高くなる。いろいろな儲け方ができる小さな会社が強い。あと、儲からない仕事はやらない。儲からずにやり続けると、産業自体が歪な構造になる。みんなが儲かれば、産業として大きくなる。

仕事のやり方①/限界を知る

 これだけやったからいいのでは?という人がいる。自分で限界を決めるわけである。しかし、ほんの少し先に別世界が待っている可能性がある。途中で休んでもいいので、楽しみながら、永遠に学び続けることである。時間を武器にする。 世の中の限界と自分の限界は違う。合致した時は大いに伸びるわけだが、いつもそうではない。むしろ、合う時は短いかもしれない。映像プロデューサーは、そのために、楽しみながら、時間をかけていろいろやるべきである。

仕事のやり方①/自分より優秀な人と仕事をする

 若い頃は、まわりは自分よりも優秀な人ばかりである。先生ばかりである。素晴らしい環境である。ある程度、経験を積めば、今度はとびきり優秀な人を見つけて仕事をする。世の中は案外狭いものである。自分から手を上げなくても、優秀であれば、誰かが見つけてくれる。もちろん、自分から手を上げてもいい。仕事がしたい人がいれば、周囲に誰それと仕事をしたいと言いつつ、一生懸命腕を磨くことである。チャンスはかなりの確率で回ってくる。私は、そうやって自分が仕事をしたい、ほとんどのクリエーター、アーティストと仕事をしてきた。周りにも同じような経験をした人がたくさんいる。 そして、映像プロデューサーは、年をとっても、年下の若い優秀な人と仕事をする。常に自分よりも優秀な人と仕事をする。そういったサイクルが日本の映像の未来につながる。自分の周りにいない、という年配の人がいる業界は劣化が始まっている。危険である。

仕事のやり方①/説明する

 説明は、マニュアルがあれば、誰でもできる場合もあるが、映像はオーダーメイドに近いのでそういうわけにはいかない。優秀な人ほど説明が上手い。わかりやすい、共感ができる。毎回、違うスタッフに同じ説明を繰り返すのは骨の折れる作業だが、よい説明はスタッフの心に火をつける。映像プロデューサーにとって、説明は技術が必要な重要な仕事である。 さらに優秀な人は、現実歪曲空間を作り出す。何人かそういう人と仕事をしたことがある。自分のやっていることの素晴らしさを広げたくて仕方がないという感じ。わからないあなたは馬鹿!みたいに思わせる。人を動かす力があり、最高の先生でもある。ただ、この種の人はこだわりが強い。宗教に近いこだわりを持つ人がいる。だから惹かれる人がいるのかも。しかし現実歪曲空間は永遠ではない。歪曲空間に取り残された人を多く知っている。

仕事のやり方①/正しいこと

 明らかに正しいこと、間違っていることがある。それでも、言ってしまうと仕事を失うかもしれないので、言わない場合がほとんどである。しかし、それが続くと、その業界は腐敗し、世の中から取り残されてしまう。言うか言わないか?実行するかしないか?自分の経験で言うと、言ってしまうと仕事を失う可能性がある。しかし、正しいことを言っていると、少数だが評価してくれる人もいる。そういう人は大きな仕事をくれる可能性がある。未来のことを考えると正しいことを言う方が正解だと思う。 映像プロデューサーは、面倒でも正しいと思ったことをできる範囲でやり続けることは重要なことである。しかし、ほとんどの人がやりたがらない。