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7月, 2022の投稿を表示しています

仕事のやり方②/プロデューサーの唯一無二の醍醐味

 いろいろなクリエイティブを組み合わせて、クオリティの高いものを作ることに尽きる。スタッフィング、キャスティングの力。相乗効果を最大限に上げること。

人間/相手のことを考える

 心理戦、ギリギリの闘い。特に初めての相手は、情報を集めて、予想する。いいところも、悪いところも、両方の面から見る。相手の気持ちになれ、というが間違っている場合もある。クライアントの場合、正すことは難しい。仕事がうまくいくことを目標にするべきである。

人間/ステークスホルダー

 相手の利益を考える。会社規模、売上まで考える。不当な利益を得ている人(会社)はいないか?自分も一緒になっていないか?不当な利益を上げている人がいると、業界が歪な構造になって、長続きしない可能性がある。新興勢力は、そこをついてくる。そして、時間が経つと、その新興勢力も同じことになる。であれば、儲けるときに儲けよう、というのが今の日本。刹那的である。ほとんどの人は、自分のいなくなった未来のことまで考えていない。

人間/お客様は神様である

 神様でないお客様と仕事をする人が何と多いことか?何も考えずに、惰性的、従属的に仕事をする人たちが多い。神様は限定的である。数も少ないし、賞味期限もある。神様を増やす方法は、自分を変えることである。自分にとって本当の神様を見つけることである。

人間/天才を殺す凡人たち

 人気のあるクリエーターには、専属のスタッフ、プロダクションがついている場合が多い。優秀なクリエーターには、優秀なスタッフ、プロダクションと言いたいところだが、時間が経つと馴れ合いになって、お互いにとって良くない場合が多い。クリエーターにとって良いスタッフでも、クリエーター以外にとって良くない場合がある。人気のないクリエーターの場合はどうだろうか?磨けば光る人たちもいる。いろいろな人とやった方がいい。

教育/学校

 映像の制作技術は基本的なものと、最新のものがある。映像を教える学校の教師を見ると、年配の経験者がいる。過去に映像の仕事をしていた人たちである。基本はとても重要である。しかし、過去の技術だけで十分か?イノベーションへの道筋を導くことができるのだろうとか?あと、経営、プロデュースを教えないのはどうしてか? 私の場合、大学の授業が100%役に立たなかったことをとても後悔している。

教育/2人育てる

 1人の人間が2人育てると会社は大きく成長する。その結果、会社はどんどん大きくなるが、業界全体が成長しないと、頭打ちになる。人は育てるものではなく、状況次第で育つもの、その手助けをする程度でいいのではないだろうか?あと、成功体験の共有だけだといい部分だけしか見えてこない。必ず裏の部分があって、そちらも重要であるが、忘れ去られてしまう。基本的なことを徹底するべきだが、案外、分かっている人も教えてくれる人も少ない。

技術/説明

 プロデューサーは、クライアント、スタッフ、関係者に対して、同じ説明を繰り返す機会が多い。説明を繰り返すことによって、人の意見を聞きながら内省すると、足りないことや不明確なところがわかってくる。それを修正することによって、どんどんわかりやすいものになっていく。説明を面倒だと思ったり、やりたがらない人は進化しない。説明する前に予行演習!をするとうまくいく。パターン化された説明は聞かれていない場合が多い。何を伝えたいかをはっきりさせ、優先順位をつけて準備しておくと、自分の伝えたいことが驚くほど伝わる。

技術/見積もり

 予算が決まっている場合、必要な利益が出るように予算書を作る。この基本的なことがわかっていない人が意外に多く、平気でオーバークオリティのものを、低利益で作り続ける人がいる。(逆もいる。)発注者(スポンサー、クリエーター、代理店の担当者)の希望を聞き、スタッフの言うことを聞いていては、一生利益を上げることができない。プロデューサー自らが率先して、最良の方法を提案するべきである。 予算が決まっていない場合(本当は決まっている場合が多い)、業界の基準、相手の規模、今までの経験を駆使して、相手が納得いく見積もりを作ることである。細かい単価までチェックする担当者もいれば、全体の金額だけチェックする担当者もいる。こちらで選ぶことができないので、いずれにも対応するようにするべきである。基本は、なるべくわかりやすい見積もりを作るべきである。 外資系のある消費者ブランドは、各制作会社に単価表を提出させた。これだと見積もりはわかりやすくなるし、全体の不当な値引きが回避できるので、発注者、受注者にとっても良いシステムだと思った。ただ、単価の安い国に変わるリスクがある。 決まった単価を積み上げると、予算にはまらない場合がある。それを無理にはめようとすると、嘘の見積もりを作ることになる。見積もりには、制作の様々な状況をが反映されたものでなければならない。間違った見積もりは、それを参考にしようとする人間をミスリードして、生産性の向上を阻む。

技術/精算

 精算は早ければ早いほどよい。とういうのは、面倒な作業なので先延ばしになりがちである。支払い先にとって、早く交渉して、早く金額が決まって、入金が早まるのは大きなメリットがある。常にそれをやる人は、支払い先から信頼され、金額交渉がしやすくなる可能性がある。これは、現金等の社内(プロジェクト内)処理も同様である。締め切りギリギリだとデスクや経理担当に迷惑がかかるし、何かミスがあると、効率が悪くなる。そもそも遅い精算は記憶も曖昧になり、捏造の温床になりやすい。精算が遅くてもいいという理由は一つもない。凄く忙しい時はある程度の遅延等は仕方がないと思うが、新しいテクノロジーを使って、短時間で効率よくすることはできるはずなのに、私が前の会社の在籍中は、根本的な改革は何もされなかった。他の会社も同様である。精算の効率化は、生産性の向上に大きく寄与するものだと思う。

技術/計画

 企画ができたら、納期が決まっているのなら、まずスケジュールを作る。その次は予算表、スタッフ表、香盤の順番で作っていく。特に最初の二つ(スケジュールと予算表)は、ラフでもいいので、早ければ早いほど良い。企画を見て、あらゆる想像力を駆使して、自分の中で作品を完成させ、それをスケジュールと予算に落とし込む。これは鉄則である。そうすれば、全体を把握できるようになる。もちろん、スタッフ特にディレクターによって、自分の目論見通りに制作が進行しないこともある。しかし、これを繰り返すことによって、正しい見通しがつくようになり、なおかつ、自分の意図通りにスタッフを動かすことができるようになる。プロデューサーの醍醐味である。