予算が決まっている場合、必要な利益が出るように予算書を作る。この基本的なことがわかっていない人が意外に多く、平気でオーバークオリティのものを、低利益で作り続ける人がいる。(逆もいる。)発注者(スポンサー、クリエーター、代理店の担当者)の希望を聞き、スタッフの言うことを聞いていては、一生利益を上げることができない。プロデューサー自らが率先して、最良の方法を提案するべきである。 予算が決まっていない場合(本当は決まっている場合が多い)、業界の基準、相手の規模、今までの経験を駆使して、相手が納得いく見積もりを作ることである。細かい単価までチェックする担当者もいれば、全体の金額だけチェックする担当者もいる。こちらで選ぶことができないので、いずれにも対応するようにするべきである。基本は、なるべくわかりやすい見積もりを作るべきである。 外資系のある消費者ブランドは、各制作会社に単価表を提出させた。これだと見積もりはわかりやすくなるし、全体の不当な値引きが回避できるので、発注者、受注者にとっても良いシステムだと思った。ただ、単価の安い国に変わるリスクがある。 決まった単価を積み上げると、予算にはまらない場合がある。それを無理にはめようとすると、嘘の見積もりを作ることになる。見積もりには、制作の様々な状況をが反映されたものでなければならない。間違った見積もりは、それを参考にしようとする人間をミスリードして、生産性の向上を阻む。