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10月, 2022の投稿を表示しています

仕事のやり方②/プロデューサーの唯一無二の醍醐味

 いろいろなクリエイティブを組み合わせて、クオリティの高いものを作ることに尽きる。スタッフィング、キャスティングの力。相乗効果を最大限に上げること。

CM/YouTube

 YouTubeで流れるCMは、強制されるもの以外、最初から最後までほとんど見たことがない。ターゲットに合わせているかもしれないが、個人的には全く合っていないとは思う。スポンサーはこの状況を理解しているのだろうか?あと、安っぽいものが多い。個人的には、昔の一部のCMのように、クリエイティブ的に優れ、必要なメッセージが伝わる動画が一番効果があると思う。地上波では、BS放送の CMは、もっと酷い。

CM/佐藤雅彦さんと大貫卓也さん

 この偉大な二人のクリエーターと仕事をしたことがあるが、やっていて、いいものができるという確信がある。だから、どんなに苦労をしても、スタッフは目の色を変えてがんばる。だから、凄いものができる。映画で言えば、黒澤明?私の知る限り、この二人を超える天才を見たことがない。CMの全盛期には、こういう人を受け入れる余裕のようなものがあった。全盛期を過ぎると、周りが許さなくなるので、そういう人はいなくなる。ますます悪くなる。これはCMに限ったことではない。天才には必ずアキレス腱がある。長続きする人は少ない。自ら幕を引く人もいる。

CM/プロダクション

サイレントフィルムは、一人だけのプロダクションである。いろいろなプロダクションがあってもいいと思う。うちはこう(これしかできない)、と決めて、自ら窓口を狭くしているところがある。それは外部に向いているのでなく、内部的な事情によるところが多い。クライアントもプロダクションも柔軟性が必要である。厳しい条件で、特定のクライアントばかり仕事をしていると、安定するが、クライアントもプロダクションも柔軟性はどんどん失われていく。 昔、広告代理店の人が「プロダクションはデパート」という言い方をしていたが、デパートではダメだと思う。 

CM/スタッフ

 仕事は、人気のあるスタッフに集中する。忙しくても、よい仕事をする人が好まれる。しかし、忙しいと効率を選ぶようになる。結果的にクオリティが下がる。逆に効率を考えない人は高くつく。時間をお金で買うことになるからだ。プロデューサーは、目立たない、優秀なスタッフを常に探すべきである。 フリーのスタッフで営業する人はほとんどいない。同世代のクリエーターやディレクター、プロデューサーとばかり仕事をしていると、ある時期になると一斉に仕事を失う。会社員の場合、人事異動があるのも理由の一つである。ネットを活用すれば、人材派遣会社に登録しなくても、いろいろな営業ができると思う。もったいないと思う。

CM/賞

 賞が価値を先導する。そして、賞は、賞そのものを維持しなければならない。逆算すると、賞を維持できる作品に賞を与えることになる。しかし、賞にも寿命がある。時代を反映しなくなるからだと思う。 日本では、ADCというアートディレクターのための格式の高い賞があるが、誰も見たことのない作品が賞を取るようになり、会員たちのサロンになってしまった。カンヌ広告祭も、昔はCMが中心でわかりやすかったが、今では、様々なメディが増えて、カテゴリーが増えて、賞のありがたみが減っている。賞はわかりやすい方がいいと思う。 日本人は昔から海外の賞に弱い。海外で認められたがっている。その割には、海外向けのものを作ることには消極的である。矛盾していると思う。

CM/企画

 CMの企画出しで効率の悪い場合がある。具体的に言うと、あるCMの企画コンペで代理店が複数参加するとする。代理店の担当者(営業)は、なんとか勝ちたいので、複数のクリエイティブチームに発注する。クリエーターと言っても自分で企画しない人もいる。そういう人たちは、部下や制作会社のプランナーに企画を発注する。それも、複数に発注する。そうなると、①代理店の数×②クリエイティブチームの数×③プランナーの数。一人のプランナーは、当然複数の企画を出す。仮にそれぞれ 4とすると、4×4×4×4=256案の企画が出てくるわけである。もちろん、途中で粗よりされたり、スポンサーの方で、提出する企画の数を制限する場合もある。プランナーは状況を把握しているので、以前出した企画を何度も出したりする。 選ぶ方は、企画を読み込むプロではないので、沢山案があると、ある基準を設けて、それに適合する企画を消去法的に選ぶ。個人の感性で選ぶと、失敗した場合、責任問題になる可能性がある。だから、オーソドックスな企画が決まる場合がある。それでも、個人の感性で選ぶトップがいる。いい時はいいのだが、ずれ始めると止まらなくなる可能性がある。跳ねそうにない企画に決まった場合、タレント、スタッフなどにお金を使って底上げしようとする。更に効率が悪くなる。タレント企画は、一回やれば、やり続ける可能性が高い。 スポンサーのオリエンをきちんと聞けば、1〜2案で済むと思う。そもそも、そんなにいい企画は世の中に存在しない。実は、平凡なアイデアでもやり方次第では面白くなる可能性がある。これはピクサーの創立者の言葉である。プロデュースの出番である。

CM/プロとアマチュアの違い

音だと思う。映像は、見た目なので、わかりにくい。例えば、CMの音は、短い秒数の中で、ナレーション、セリフ、効果音、音楽を聞きやすく整理するために、技術と経験が必要である。ディレクターの力量は、音のディレクションですぐに分かる。分野の違う映像ディレクターで、最も顕著に違いが出るのは音に対するディレクションである。それでも、CMの場合、映像のインパクトには負けるし、限られた秒数で、どんなに聞きやすく整理しても限界がある。ある意味、シュールな世界かもしれない。 メディアの耐久度は、①文字 ②音楽 ③映像の順ではないだろうか?ちなみに、③に関しては、映画がトップで、CMは、下位の方になると思う。

CM/天才たち

自分にとって、理解できない、驚きであることをなす人が天才だと思う。そういう意味で、私にとって、天才は主観的な存在である。よく観察すれば、努力の跡を見ることができる人がいる。しかし、わかっていても、真似なんかできない。 他人を認めない天才がいるが、広がらない。何でも自分はできると勘違いして、周りを不幸にする人もいる。滅多にいないが、自分の弱みを知る人が成功する。