以前、米の価格がなぜ下がらないのか、理由がわからないと書いたが、小泉さんが農相になって米を下げると宣言してから、急に理由がわかるようになった。そして、安い米が出ると文句を言う人が出てくる。この人たちが米の価格を下げない犯人である。本当は、下がらない時に理由が分りたいのだが、新聞も含めなかなか説明してくれる人がいない。よくあることなので疑問に思ったら、理由がわかるまで待ってみる。このような知識を蓄積すれば、予想がしやすくなる。
イタリアの巨匠監督フェデリコ・フェリー二(「道」、「甘い生活」)の古い伝記を読んだ。面白かったのは、彼は、キャリアの後半におけるきらびやかな映像表現(「ローマ」、「アマルコルド」両方ともロケに見えるシーンも巨大なセットを作っている)が有名だが、製作費の確保にはいつも困っていたことである。あの、自由奔放な映像を作っているフェリーニでさえも、出資者が見つからなく、自ら金策に走っている。巨匠と言われる人の作品歴を見ると、巨大な利益を上げた名作を作っている反面、失敗した大作も多い。失敗した理由は、利益を上げた名作を再現したい人がお金を出すからである。しかし、そんなに簡単にはいかない。そこで、続編やシリーズものが出てくるのだが、個人的には映像の多様性に貢献しないと思っている。一方、キューブリックが「2001年宇宙の旅」の後に、わざと「時計じかけのオレンジ」を安く作ってヒットさせたのは興味深い。なかなかできることではない。