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5月, 2023の投稿を表示しています

仕事のやり方②/プロデューサーの唯一無二の醍醐味

 いろいろなクリエイティブを組み合わせて、クオリティの高いものを作ることに尽きる。スタッフィング、キャスティングの力。相乗効果を最大限に上げること。

テレビなど/アニメーション

 あるCGアニメ会社のプロデューサーを数年間やった。CMでは、CGに関しては黎明期からやっている。2Dアニメも経験している。日本のアニメ業界の問題は、よいリーダーが少ないことである。何人かのリーダーに会ったが、自分は儲かっている、と自慢している人と、現状に文句ばっかり言っている人が多い。私が、他の分野で会った、未来のビジョンを語る、現実歪曲空間を持っているような人はいない。粒が小さいと思った。こんなにアニメを量産している国は他にないのに。

テレビなど/コンサート

20年以上いろいろなアーティストのコンサート用の映像を制作してきたが、コンサート業界は閉鎖的である。ターゲットがファンに限られていて、大勢のスタッフが、セットごと、全国各地の会場に回るからだろうか。映像に対する理解は概ね限定的である。映像のプロでない人は、どんなに好きでも、プロの目線で映像を見込んでいないので、多様性は少ない。多少違和感があっても、受け入れてほしい。しかし、映像を制作するスタッフにも責任があると思う。お互いが明らかに勉強不足、コミュニケーション不足である。こういう時こそ、説明力が問われる。もっと色々なことができる余地があると思う。

テレビなど/ミュージックビデオ

 よいミュージックビデオとは、アーティストにいかに感情移入できるかだと思う。どんなに派手でも、曲とあっていなければ、感情移入ができない。派手さにもパターンがあるので、飽きられる可能性がある。また、ドラマ的な部分も、たまに優れた作品もあるが、音楽が中心なのであまり期待できない。シンプルでも、アーティストのパーソナリティ、曲のイメージに合ったものが、長く残ると思う。ミュージックビデオの再生回数は、曲次第だと思っている。どんなにお金をかけても曲がよくなければ、再生回数は少ない。逆に、曲がよければ、映像は下手なアニメーションや、ありきたりな青春ストーリーでも、安っぽくてもOKなところがある。シュールな世界である。

テレビなど/音楽

 流行るとお金になるのか、同じようなジャンルの音楽が数多く世の中に出回る。世の中にはいろいろな音楽のジャンルがあって、いろいろな楽しみ方があっていいと思う。何年か前にイギリスで行われたダウンロードフェスティバルというのをテレビでやっていて、ハードロックの伝説のような人たちが大量に出演しているのを見て、自分が若い頃、MTVの初期の頃で、その種の音楽の洗礼を受けたのだが、今のビルボードのチャート番組を見ても、ほとんど見られない。ジャンルごと、世の中にあまり出なくなってしまった。ブームがジャンルを作るのだろう。あるジャンルが再びブームになっても、最初のピークを超える可能性はほとんどないと思った。芸術作品(印象派とか)と似ている?

テレビなど/ネットフリックスなど

 「ハウスオブカード」を見た時に、登場人物への感情移入にたっぶり時間がかけられていて、映画を超えていると思った。映画は、限られた時間内で、長い原作を物理的に消化しきれないものが多くある。映画を見ていてわかりにくいと思って、再度見てみると、肝心な部分が丁寧に描かれていない場合がよくある。 ネットフリックスなどの良いところは、世界中のコンテンツを今まで見る機会のなかった人に提供していることである。ただ、ドラマが映画と違うのは、長時間見せるのが目的で、中毒性、習慣性を生む装置のようなところがある。ある種のパターンがある。リード・ヘイスティングスは、ライバルはゲームだと言ったことがあるが、ドラマの展開もゲームのようである。はまり続ける人もいれば、急に見なくなる人もいる。 人間は限られた時間で、そんなにたくさんのコンテンツを見ることはできない。例えば、TikTokのような、時間を消費するライバルもどんどん増えている。どこかで、飽きられるのではないだろうか?

テレビなど/脚本と俳優

 映画もテレビも、優れた脚本とそれが表現できる俳優。これに尽きる。あとは、プロデューサー。なぜなら、脚本は、プロデューサーが支配できるからである。出演者を優先すると、題材が狭まる。これは世界共通。オードリー・ヘップバーン、マリリン・モンロー、対極にいるようだが、俳優としては優れている。マーベルも、海外のドラマも、優れた俳優が出ると、ストーリーに感情移入できる。

テレビなど/視聴率と再生回数

 クライアントにとって重要なのは、広告をやって売り上げがいくら上がるかだと思う。テレビとYouTubeの勝負を正確に知りたい。広告は興味のない商品の広告がほとんどなので、エンタメ要素を増やして楽しませてほしい。いつか興味を持った時にその時の印象が生きる。また、クオリティの高い映像は、他の芸術同様に人生の良き糧になると思う。

テレビなど/テレビの現場

 テレビは、他の映像制作の現場に比べて、現場が汚いところがある。環境整備の観点から言うと落第である。テレビ局と制作会社の格差はとても大きい。何年か前に、あるテレビ局のプロデューサーが、プロデューサーには生殺与奪の権利がある、と言っていたのを聞いてショックを受けたが、そういう考えでは長続きしないと思った。(実際そうなっている。)テレビに限ったことではないが、既得権の上で成り立っているものは、異常な世界を作る。そして崩壊する。(盛者必衰)でも、その原資は、私たちの消費活動から生み出されたものである。テレビは必要だが、限定的だと思う。