以前、米の価格がなぜ下がらないのか、理由がわからないと書いたが、小泉さんが農相になって米を下げると宣言してから、急に理由がわかるようになった。そして、安い米が出ると文句を言う人が出てくる。この人たちが米の価格を下げない犯人である。本当は、下がらない時に理由が分りたいのだが、新聞も含めなかなか説明してくれる人がいない。よくあることなので疑問に思ったら、理由がわかるまで待ってみる。このような知識を蓄積すれば、予想がしやすくなる。
映像プロデューサーにとって、興味の対象は広く浅い方がいい。凝りすぎない。プロになるわけではないので中途半端でも構わない。いつか実になる。急にゼロからやるよりも少しでも理解していた方が即戦力になる。
勉強する習慣をつくる。映画をみる、本を読む、重要なのは、単純にみる、読むだけではく、2次的、3次的思考を巡らせることである。具体的に自分の(映像の)仕事にどう絡ませることができるか?を考えることである。多くの人が読むベストセラーはあまり興味がない。映画も同様である。希少性がない。流行物は、お金がかかる割には得るものが少ないと思う時がある。古い名作は、安いし、あまり誰も見ていないので勉強になる。
私が学生の頃は、ビデオがなかったので、映画を見るには映画館かテレビしかなかった。テレビで見る映画は不完全である。映画館は最新の映画を上映する映画館か、安いが数が少ない名画座しかなかった。名作を見るにはそれなりの努力が必要であった。現在はその頃に比べて、考えられないほど簡単に安く見ることができ、種類が多く充実してる。しかし、それらの名作が最新の映像に生かされている例は少ない。人間が一生、一日に見る映像の時間には限界があると思っている。あまりにも量が多いと惰性で流行物ばかり見て、良いものに巡り会える可能性が少なくなると思っている。
例えば、80年代以降の香港、台湾を中心にブームになったアジア映画の名作を見る機会が少なくなった。DVDは再販されないし、動画サイトでもあまり見ることができない。特に台湾のエドワード・ヤン。今でも膨大なインスピレーションの源となる彼の映画をほとんど見ることができない。(最近「ヤンヤン 夏の思い出」が再上映された。)