以前、米の価格がなぜ下がらないのか、理由がわからないと書いたが、小泉さんが農相になって米を下げると宣言してから、急に理由がわかるようになった。そして、安い米が出ると文句を言う人が出てくる。この人たちが米の価格を下げない犯人である。本当は、下がらない時に理由が分りたいのだが、新聞も含めなかなか説明してくれる人がいない。よくあることなので疑問に思ったら、理由がわかるまで待ってみる。このような知識を蓄積すれば、予想がしやすくなる。
文学が運用の参考になるのは、さまざまな人間の思考を検証できることである。運用は人間がやるものである。(機械の参加も増えているが。) その人間が何を考えているのか?文学は、それを雄弁に語ってくれる。例えば、「カラマーゾフの兄弟」に出てくる多くの登場人物は、とにかく喋る。自分の考えを話す。人間の思考は、根本的なところでは、昔も今もそんなに変わっていないことに気付かされる。名作と呼ばれるものは、人間描写が優れている。主人公がどういう論理で物を考えているかを明らかにしようとする。そういうことを知ろうとすることは、運用の陰に隠れている、予測が難しい人間の心理を理解するのにとても役立つ。