金が余ると、投資家はいろいろな投資先を物色しはじめる。REITや今まで見向きもされなかった業種。YouTuberが昔から上がると言っているコモディティ(本人はやったーと大喜び)。当然、専門家はもっともらしく見立てる。これは悪い兆候だと思う。そして、上がり続ける可能性が少ないので、どこかで売らなければならない。ではどこで売ればいいのか?誰にもわからない。気がついたら、元に戻っている、もしくは買った時よりも下がっている。いつかどこかで見た光景である。
文学が運用の参考になるのは、さまざまな人間の思考を検証できることである。運用は人間がやるものである。(機械の参加も増えているが。) その人間が何を考えているのか?文学は、それを雄弁に語ってくれる。例えば、「カラマーゾフの兄弟」に出てくる多くの登場人物は、とにかく喋る。自分の考えを話す。人間の思考は、根本的なところでは、昔も今もそんなに変わっていないことに気付かされる。名作と呼ばれるものは、人間描写が優れている。主人公がどういう論理で物を考えているかを明らかにしようとする。そういうことを知ろうとすることは、運用の陰に隠れている、予測が難しい人間の心理を理解するのにとても役立つ。