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運用・7%への道/米

 以前、米の価格がなぜ下がらないのか、理由がわからないと書いたが、小泉さんが農相になって米を下げると宣言してから、急に理由がわかるようになった。そして、安い米が出ると文句を言う人が出てくる。この人たちが米の価格を下げない犯人である。本当は、下がらない時に理由が分りたいのだが、新聞も含めなかなか説明してくれる人がいない。よくあることなので疑問に思ったら、理由がわかるまで待ってみる。このような知識を蓄積すれば、予想がしやすくなる。

CM/企画

 CMの企画出しで効率の悪い場合がある。具体的に言うと、あるCMの企画コンペで代理店が複数参加するとする。代理店の担当者(営業)は、なんとか勝ちたいので、複数のクリエイティブチームに発注する。クリエーターと言っても自分で企画しない人もいる。そういう人たちは、部下や制作会社のプランナーに企画を発注する。それも、複数に発注する。そうなると、①代理店の数×②クリエイティブチームの数×③プランナーの数。一人のプランナーは、当然複数の企画を出す。仮にそれぞれ 4とすると、4×4×4×4=256案の企画が出てくるわけである。もちろん、途中で粗よりされたり、スポンサーの方で、提出する企画の数を制限する場合もある。プランナーは状況を把握しているので、以前出した企画を何度も出したりする。

選ぶ方は、企画を読み込むプロではないので、沢山案があると、ある基準を設けて、それに適合する企画を消去法的に選ぶ。個人の感性で選ぶと、失敗した場合、責任問題になる可能性がある。だから、オーソドックスな企画が決まる場合がある。それでも、個人の感性で選ぶトップがいる。いい時はいいのだが、ずれ始めると止まらなくなる可能性がある。跳ねそうにない企画に決まった場合、タレント、スタッフなどにお金を使って底上げしようとする。更に効率が悪くなる。タレント企画は、一回やれば、やり続ける可能性が高い。

スポンサーのオリエンをきちんと聞けば、1〜2案で済むと思う。そもそも、そんなにいい企画は世の中に存在しない。実は、平凡なアイデアでもやり方次第では面白くなる可能性がある。これはピクサーの創立者の言葉である。プロデュースの出番である。


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儲ける/赤字仕事

仕事が赤字になりそうな時に、なんとか利益を上げようと、寸前まであがくプロデューサーを多く見てきたが、トータルで見ると、損をするケースがほとんどである。であれば、最初からこの位赤字と見込んで、腹を括り、なるべくスタッフに迷惑をかけず、クオリティを上げるべきである。 赤字仕事を受けないようにするにも、腹を括る必要がある。なぜなら、そのクライアントの仕事が一切なくなる可能性があるからである。しかし、そのクライアントと仕事を続けても、赤字を取り戻せる保証はどこにもない。むしろ、避けられることもある。 クオリティを上げたいために赤字でやってしまうと、クライアントは、こちらの考えなどお構いなしに、その金額でできると思い込む。そうなると次回の予算に影響する。つまり、自分の首を絞めることになる。 赤字になる前から戦略を立てる必要がある。

はじめに

私は東北新社という映像制作の会社を新入社員で入り、約20年間 C M を中心にプロデューサーをやり、最後の何年かは取締役も経験しました。 CM 以外では念願の映画も7本プロデュースしました。他にテレビドラマ、コンサート用の映像もプロデュースしました。しかし会社の中でやりたい仕事がなくなり、会社に自分の居場所がないことに気づき、2012年に自分で会社を作りました。会社を作って今年で10年目です。 新しい会社の仕事は当初考えていた小さな仕事だけではなく、前の会社でやっていた規模の仕事も入ってきました。この10年間でやりたいことはほぼやり尽くしました。今年で57才。まだまだ働けるという人もいますが、現役の CM プロデューサーとしては最高齢に近いと思います。(プロデューサーの寿命は短いです。) 自分のダイアリーを見直すと、大体10年おきに周期があることに気づきました。映像の仕事はもちろん続けますが、次の10年は変化の年だと思っています。自分の年齢でできることを楽しみながらやっていきたいと思っています。 最近、若い人と話をするために自分の過去の作品(ドラマ「ママ新発売」)を見返した時に、これを超えることは難しいと思いました。今見ても全然面白い。寂しいというより少し嬉しかったです。(自分は間違っていなかった。) 小説「ゲド戦記」で主人公が自分の影を追っていた、というエピソードを思い出しました。     私が経験してきたことをベースに、これから映像(プロデューサー)を目指す若者たちの手助けをしたいと思い、ブログをはじめました。   2021年2月 サイレントフィルム 谷口宏幸