現実は、過去の自分の歴史を再現する可能性がある。自分の成功、失敗を、忘れるのではなく、正確にフィードバックして、修正していくことを積み重ねていけば、運用に生かすことができると思う。ピンカーの「20世紀の啓蒙」によると、人間の歴史は、長い時間をかけての啓蒙の歴史である。過去の歴史、自分の歴史、現実(最近)の歴史を擦り合わせることができれば、さまざまな予測ができると思う。
映画では脚本は設計図である。脚本が決まれば、スタッフがそれぞれの役割をこなす。つまり、スタッフは、脚本を変えることはできない。脚本に意見できるのは、立場的にほんの数人だけである。そして、実際に意見するのはその中で、一人か二人。これは自分の経験である。CMの場合、スポンサー、代理店、クリエーターなど、多くの人の意見をクリアしながら作る。全く正反対である。どちらが正解か?脚本家を含めて、優秀な人が最低二人は必要だと思う。ピクサーは、脚本作りに多くの人間が参加している。日本でも最近黒澤明のように複数の脚本家が参加するシステムが脚光を浴びている。それでも、そんなに優秀な人間がいないことを考えれば、最低二人の法則は変わらない。